【東上まちづくりフォーラム(ビジネス助っ人隊)としての中小企業等支援実績】
○輸入食品(嗜好品)販売業の支援例
ヨーロッパより紅茶のような嗜好品を輸入して販売している志木市のO社は、まず月次の売上実績がリアルタイムで把握できていなく、営業も問い合わせがあったところに場あたり的に営業をしているといった傾向があった。『販売支援簿(販売関係指標スコア表)』では、「商品力・企画力」に比して「販売力・広報力」のスコアが低く、また企業体力を示す「組織力・人材力・IT力」が総じて低かった。
社長にIT導入による経営の見える化を薦め、市販経理ソフトを導入して助っ人隊メンバー(経理助っ人隊)が入力支援等も行い、これによって少なくとも月次決算が明瞭にわかるようになり、経営計画(目標策定)が行えるようになった。今までの販売手法の棚卸しも行い、何が効率よく売上向上につながるかを月次データから考察させて、毎月の目標(方向性)を出させるようにした。同社はインターネット販売も行っていたが、インターネット上での売上の工夫が、どのように実際の成果に結びつくのかも、数値の裏づけをもってわかるようになった。これが社長および社員の士気向上に役立った。
上記のような流れ(インターネット上での販売増加)と並行して、リアルな販路拡大にも手を打ち始めた。まず同社に眠っている資産として蓄積してきた1000名近い潜在顧客の名刺に眼を向け、同データをエクセルに入力しそこに電子メールを送ることで新規顧客獲得につなげるアクションを起こした。約2.5%の企業等から反応があり、新たな接点を生む事ができた。一方"ビジネス助っ人隊"が持っている『販路拡大WIN-WIN人脈データベース』から食品卸、スーパー、インターネット販売企業等の接点がありそうな人脈をさぐり、営業助っ人隊がコミッション(セールスレップ)契約を結んだ上で販路開拓に動いた。現在はインターネット販売企業への新しい卸先ルートが新規に開拓できた、という1件のみの成約であるが、今後成約数が伸びることが期待できる。(ビジネス助っ人隊のなかの「IT・パソコン助っ人隊」および「営業助っ人隊」による支援例)
○印刷会社の経営改革による売上向上の支援例
顧客の課題は"売上拡大"で、営業現場は個人別顧客担当制で顧客実績からの個人別売上予算があるだけだった。ここに入りトップの意識改革として以下を徹底した。
@毎年お客の10%は消えてゆくので売上を10%伸ばすなら20%の新規顧客開拓が必要→商材を提供するのは会社責任。その商材で顧客開拓行為を行うのは営業マン。A受注には顧客キーマンとの面談が必要→顧客キーマンは営業マンではなく会社に仕事を出すので社長自らが挨拶に行き、どの営業マンが担当かを表明しないといけない→顧客キーマンが誰かを捜すのが営業マンの仕事→従って、営業マンに売上見込みを聞いても売上は増えず、顧客キーマンが誰かを聞くべき。
更に実行管理に際してはバランススコアカードを営業部門に導入しその進捗状態を社長がチェックした。更に受注制作型なので工場部門の意識改革は案件単位に如何に無駄を省くかで原価低減に努力できるようにした。こうした改革によって売上は伸びを確保できるようになった。(ビジネス助っ人隊のなかの「企業革新助っ人隊」による支援例)
○厨房機器メーカーに対しての支援例
さいたま市にあるS社は、中・大型の厨房機器を扱うメーカーであるが、ホームページ等での効果的なPRができていないということで、ビジネス助っ人隊に相談があった。ホームページ助っ人隊とコンサル助っ人隊によるチームで赴き、ヒアリングを重ねると、広報面だけでなく経理面や販売体制面でもいくつかの問題があることがわかった。現在はコンサル契約を結んで月に2〜3回はチームとして訪問し、問題点の洗い出しとそれに対しての解決策(支援メニューの提示)を行ったところである。『販売通信簿』によれば、「商品力・企画力」と「販売力・広報力」とのバランスはとれているが、各項目の中では企画力と広報力のスコアが低く、また企業体力(「組織力・人材力・IT力」)は同等のコンペティターと比べて低い。
企画力と広報力の強化につながる支援メニューを提示して、大枠での合意が得られ、今後はインターネット販売にも更に力を入れるべく、そのための準備を開始した。(ビジネス助っ人隊のなかの「コンサル助っ人隊」、「ホームページ助っ人隊」による支援事例)
○知的障害者をサポートするNPO法人に対しての支援例
上尾市のNPO法人Wは、知的障害者によって作られるコーヒー(パッケージを障害者が作業)の販売を行い、障害者層の自立をサポートするという趣旨で活動をしている。ビジネス助っ人隊には、このコーヒーの販路拡大の面で相談があったが、『販売通信簿』を作成して検討すると、とても現状の同NPOの体力では、このコーヒーモデルでは立ち上がりまでに時間がかかりすぎ、運営が行き詰る事が明確になった。
理事長との面談、ヒアリングを通じては、とくにコーヒーにこだわらなくても障害者支援という意図が達せられるようにすることが重要である、という事が見えてきた。同NPOの資産を棚卸ししてみると、ホームページの技量に長けた人材がいるなど、他の面でも障害者支援につながる方策は考えられることがわかった。総務省等が提供している障害者向けのホームページ研修助成金の情報を調べて同NPOに示し、そうした面で、意図を達しつつ、NPOの運営も行っていくという方向を助っ人隊としては示し、現在同NPOとのコミュニケーションをさらに進めている。(ビジネス助っ人隊のなかの「マーケティング助っ人隊」による事例)
○環境関連企業の連携を促し、販路拡大をサポートする新しいモデル試みの事例
ビジネス助っ人隊メンバーのT(団塊世代)は、スーパーマーケット(SM)の草創期からその業界の拡大・展開にかかわってきたトップランナーの一人であるが、後半生は、高度成長時代への反省もこめて、環境問題の解決に寄与できる「エコストア」の普及発展に費やす覚悟で当NPOに関わり始めた。ビジネス助っ人隊のなかで「エコストア推進チーム」を発起して人材を募り、現在8名のチームで活動中。エコストアの推進につながる個々の企業の個別技術をアライアンスさせて新商品を開発、SM等への売り込みを図っている。関わった企業にとっては、新しい形での販路拡大につながるというモデルである。 08年5月にSMを対象とした第1回の「エコストア環境セミナー」を開催するが、そこに参加したSMに対して、賛助企業の製品等を中心にPRしていく。ただしその伝え方は、企業内の営業マンのスタンスとは違い、あくまでもエコストアを推進するというNPO的なスタンスでのもの。NPOだからこそできる新しい中小企業向けの販路拡大支援のモデルであると考えている。(ビジネス助っ人隊のなかの「営業助っ人隊」−エコストア推進チームによる事例)
○商工団体(商工会)サポートの事例−1(新規会員企業の勧奨)
対企業のサポート例ではないが、ビジネス助っ人隊では、三郷市商工会からの依頼をうけ、同市における商工会未加入企業を個別訪問し、2ヶ月で20社の商工会への新規加入企業を勧誘した。
訪問予定の企業に対して事前に訪問予告のはがきを送付し、その後巡回型で個別訪問して、商工会入会のメリットを伝え、細かい話になる場合には、商工会の指導員と連携をとって個別企業の支援体制を構築した。ここで培った(入会勧奨および個別企業支援の)ノウハウは、今後もビジネス助っ人隊の財産として、他地域でも展開できるものであると認識している。実際、志木市商工会はじめ、商工会議所も含めて複数の商工団体から会員企業勧奨業務の依頼の話がビジネス助っ人隊に寄せられている。(ビジネス助っ人隊のなかの「商工団体助っ人隊」−三郷チームによる事例)
○商工団体(商工会)サポートの事例−2(産業観光モデル等を作り地場商店を活性化する方策等を協働)
ビジネス助っ人隊では、志木市商工会と数回にわたるコミュニケーションを行い、志木市のとくに商店の活性化につながる方策を、アイデアを出し合ってともに検討。志木市がかつて野火止用水を用いて幾連もの水車をまわして小麦をつき、粉産業が盛んであったことに注目して、用水や水車の遺産を観光的に取り上げると同時に、粉を使って作った"うどん文化"についてのイベント等も企画し、今年の商工祭りの目玉の一つにするといった一連の企画案を練り上げた。(これによって入れ込み客を増やし、商店活性につなげる)
またこの企画は、採択の可能性がある助成金申請も行ったが、その執筆には助っ人隊メンバーがあたりサポートした。実際にイベント等を行う段では、助っ人隊のなかの「PR助っ人隊」や「パンフ助っ人隊」等が関わる予定である。商工会と連携して、小規模企業(この場合は商店)を支援していくというモデルである。(ビジネス助っ人隊のなかの「商工団体助っ人隊」−志木チームによる事例)
○生麺協同組合や観光協会等へのアプローチ〜彩の国うどんのブランド化を通じた中小企業支援
粉文化、うどん文化は埼玉県全域にひろがる。県内市町村のうち、優に半数を越える40以上の市町村が"うどん"をその名産としているが、しかしながら讃岐などと比較すると埼玉うどんは、その知名度が圧倒的に低く、ブランド化もできていない。
「彩の国うどん」を全国的なブランドに押し上げ、それをテコにして観光産業の発展にもつなげるというプロジェクトが、ビジネス助っ人隊のなかで立ち上がっている。すでに企画書をもって、県の観光振興室と複数回にわたるコミュニケーションの場を設けている。
まずは「彩の国うどんサミット第1回」の開催を予定し、埼玉うどんの知名度アップに取り組むが、そのために助っ人隊では各種助成金申請などを行ったり、また県内有力企業(山田うどん等)や組合(生麺事業協同組合等)にも働きかけている。このようなビジネス助っ人隊発信の動きを通じて、結果として地場の中小零細企業の活性化につながるような動きをビジネス助っ人隊では行っている。
○マッチング事業における実績
"ビジネス助っ人隊"では、昨年度、県団塊世代活動支援センターと一緒になって、「ビジネスマッチングセミナー(交流会)」を開催した。12月と1月に計2回行ったが、1回目は10社、2回目は23社の中小企業からの参加があり(2回目は埼玉中小企業家同友会と連携して実施)、中高年層(新現役世代)とのマッチングを行った。(この場合にはビジネス助っ人隊の登録メンバー)
ビジネス助っ人隊のビジネスモデルは、受託型で組織が仕事を受けるものであるので、このマッチングセミナーでの成果は受託件数となるが、1回目は2社、2回目は5社からの受託が成立した。(上述のなかにもその中の何社かが含まれる。)
ビジネス助っ人隊としては、このイベントを実施したことで、企業集客はじめ、当日の運営、フリー交流のやり方、その後のフォロー手法などの面で、マッチングイベントにおけるノウハウが蓄積できた。
○創業支援における実績
東上まちづくりフォーラムが、設立以来もっとも力を入れ、実績を残してきた分野がSOHOやコミュニティビジネス創業者の支援、およびインキュベーションである。
2002-03年には「SOHO/マイクロビジネス創業支援セミナー」の実施と「SOHO/マイクロビジネス創業相談窓口」の開設を行い(東上まちづくりフォーラムを代表世話人団体とした埼玉SOHO/MB支援ネットとしての事業)、2004年には「セールスレップ育成研修」を立ち上げた(経済産業省補助事業)。また2006年には、東上線NPOネット(東上まちづくりフォーラムが世話人団体)として「コミュニティビジネス創業相談窓口」を志木サテライトオフィス内に設けて、「コミュニティビジネス開業支援連続セミナー」も開催した。
インキュベーションとしては、NPO法人家族カウンセリングセンター(代表:高橋等)、NPO法人リユース環境推進ネット(代表:桶本義孝)の設立支援を行い、また経済産業省認可のセールスレップ協同組合は、東上まちづくりフォーラムが行った「高齢者人材による日本型セールスレップ(営業人材)の仕組みづくりと実践」事業(2004年度)から立ちあがったものである。