平成19年度事業報告書

平成19年6月1日から平成20年5月31日まで

 

特定非営利活動法人 東上まちづくりフォーラム

 

1.事業の成果

 

平成19年度は、以下「@地域資源の再発見と人材開発の場の提供」の一貫として、埼玉県団塊世代活動支援センターと協働して「ビジネス助っ人隊」を立ち上げた。(埼玉県のNPO基金を受ける形で団塊世代活動支援センターから事業受託)

また障害者に対してのWEBアクセシビリティ研修の実施など、新しい動きも数多く発生した。

以下、定款に定めた以下の@〜Bの枠組みの活動について報告する。

 

@地域資源の再発見と人材開発の場の提供

平成18年度総会では、以下の3項を19年度の方向と定めた。

1)個人能力の発掘、プロデュース、マネジメント事業(個人力プロデュース事業部)

2)業務委託契約や請負契約による、企業退職者と地域法人やNPO法人等とのマッチング事業

(人材開発事業部)

3)コミュニティビジネスの起業者を輩出し、支援する事業(コミュニティビジネス事業部)

上記に対応して、埼玉県NPO活動推進課が進める「平成19年度NPO協働提案推進事業提案」事業に「中高年と地元企業・NPOのマッチング支援事業」というタイトルで応募し、コンペ方式の審査に通過し、平成19年8月21日付けをもってこれを受託した。

県の産業労働部雇用対策課中高年世代活動支援担当(「団塊世代活動支援センター」)と協働してこの事業を平成20年2月29日までの期間遂行した。

県に対しては、3月時点で成果報告書を提出したが、この事業によって東上まちづくりフォーラムには、「ビジネス助っ人隊」という組織ができ、その登録メンバーは70名を越え、また正会員登録をしてくれた人もその内の35名(うち以前からの正会員も6名)にのぼった。

ビジネス助っ人隊では、上記2)を中心に活動を行っているが、一方、内部研修会等を複数回にわたって開催し、上記1)に対応する事業も行った。

 さらに「ビジネス助っ人隊」のなかから、いくつかのコミュニティビジネスと言われる動きも発生し、実際に比較的大きなお金の流れが発生したものとしては障害者対象のウェブアクセシビリティ研修の実施(総務省からの一部助成金事業)があった。

 

Aまちづくり提案とプロジェクト活動

18年度に理事会承認されて立ち上がった「楽農会プロジェクト」と「外来植物除去プロジェクト」が活動を行った。

「楽農会プロジェクト」は、東上線沿線に豊かな田園地帯を抱える市・町が多い地域で、自然環境の保全や安心・安全な農作物に高い関心を持つ市民や団塊の世代を対象に、有機農法による米作りを行うプロジェクトである。田植えから収穫まで、数回以上の作業を経て、無事に1年のサイクルが完了した。

「外来植物除去プロジェクト」は、19年度より具体的活動が開始された。2回のイベントが開催された。

 

B住民交流の場づくり

オープンでくつろいだブレスト型のミーティング「三火会」(毎月第三火曜日に開催)は、平成19年度は年間を通じて合計9回が開催された。テーマはとくに決められておらず、フリーディスカッションの場であるが、19年度は、「ビジネス助っ人隊」関連での参加者が多く、毎回新たな参加人材よりもたらされる多様な話題で刺激多い会となった。

平成18年度に、東上まちづくりフォーラムが代表世話人団体となって、東武東上線沿線の6つのNPO法人で発起した『東上線NPOネット』は、現時点で参加団体が13に増え、今年度も東上まちづくりフォーラム会議室で数回のミーティングがもたれた。東上線NPOネットのメンバーが中心となって、「ビジネス助っ人隊」の活動の一環として鶴ヶ島チームが立ち上がり、鶴ヶ島市に種々の提案をするといった活動が行われた。

 

 

2.事業報告

(1)特定非営利活動に係わる事業

@地域資源の再発見と人材開発の場の提供

プロジェクト名称

活動内容

ビジネス助っ人隊

埼玉県(団塊世代活動支援センター)との協働事業。

ビジネス助っ人隊への登録メンバー数72名(うち東上まちづくりフォーラム正会員35名)。企業OB(上場企業出身者50名)が中心であるが、一部個人事業者も登録。男性が約9割。43〜74歳で約半数は60歳台前半。平均年齢は60.1歳。居住地は、川越市9名、ふじみ野市7名、さいたま市6名をはじめ、越谷、蓮田、久喜、三郷など県内31市町に及ぶ。経験してきた職種は、「営業」が約3分の1、「技術」「企画・マーケティング」「総務」が各15%といった割合。「広報」「教育研修」「経理」等の経験者もいる。

埼玉県からの業務受託として活動した6ヶ月間に、外部に対しての活動としては、1)企業、商工団体等に対しての訪問営業:企業等延63箇所、商工団体延28箇所、2)フェア・展示会等での積極的なPR:助っ人隊グループとして5回参加、3)ビジネスマッチング会開催による企業等との接点づくり:2回開催(1回目6社、2回目20社参加)といった活動を行い、成果としては、業務受託数21、売上高は約100万円をあげた。(顧客内訳一般企業8、商工団体2、公益法人4、NPO法人3、自治体1、その他1)(コンサル業務、販路開拓、広報紙印刷、商工会会員勧誘、講演・研修講師、他ビジネス支援) また内部的には、1)全体ミーティング:月1回、計8回開催。組織としての内容を周知徹底、相互理解する場。2)営業戦略会議:およそ月1回、計6回開催。営業に関する情報連絡、戦略の立案、問題解決の場。3)内部研修:3回。個別的なスキル向上(コンサル手法等、講師招聘)、新知識の習得(新連携など国の制度の勉強、講師招聘)、メンバー自身の自己啓発(人脈棚卸し&共有化セミナー)を行い、組織としての強さ醸成を目指した。4)チームミーティング:特定の業務ごとのミーティング、研修チーム:約10回。他チーム;計数回以上。5)商材説明検討会:計7回開催。顧客に来てもらった肉声で商品説明。直接、質問し扱えるかどうかを検討。6)メーリングリスト(ML)での情報交換:6ヶ月で約1,800通(全体ML、業務ML、チームML)、といった活動を行った。

今後も、県(団塊世代活動支援センター)との協働活動は継続し、埼玉県内に新しい中高年層の働き場、生きがい創出の場を作り出していく。

障害者向けウェブアクセシビリティ研修

障害者10名に対して、ホームページのウェブアクセシビリティについての情報を提供し、併せてホームページ制作能力を教育する研修会を開催。(YRP経由の総務省の助成金を一部活用)。将来的には、「ビジネス助っ人隊」のホームページ作成チームとしても活躍してもらえる障害者人材の養成を意図した。

 

Aまちづくり提案とプロジェクト活動

プロジェクト名称

活動内容

楽農会プロジェクト

東上まちづくりフォーラムと富士見市役所、音楽家の瀬戸龍介氏とが共鳴して、開催の運びとなった「楽農会」は、富士見市南畑地区・難波田城公園の古民家「金子本家」をベースにして、米づくりの学習「ふるさと体験会」からスタートした。田植えから収穫まで5回の有機農法での農作業を体験した。参加会員、ゲストも加え延べ306名が、東京をはじめ首都圏から参加し、毎回、新鮮な農業体験に参加者はすこぶる感激していた。11月の収穫祭では、ミニコンサートも開催し大いに盛り上がった。参加会員には収穫された有機米3kgが配布され、そのおいしさを堪能した。

農業指導に当たってくれた地元農家の柳下氏はじめ、本プロジェクトでは、自治体、地元住民、交流の都市市民、そして東上まちづくりフォーラムの企画が一体となって事業成果を生んだものと評価でき、次年度は更なる期待が寄せられている。

外来植物除去プロジェクト

以下のような内容を東上まちづくりフォーラム会員や市民に理解してもらうためのイベントを開催した。

・東上線沿線でも、植物では、アレチウリ、セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサ、オオブタクサなど、動物では、ブルーギル、大口バスなど外来生物(いずれも「特定外来生物」「要注意外来生物」指定)が侵入し、日本固有種の存続を脅かし、生態系をかく乱している。

・外来生物のなかでも、動物については動く相手のため特殊な活動が求められ難しいが、植物については、その意味では除去は、簡単である。東上線沿線のNPO、自治体、国機関、地域企業(特に、東武電鉄)の連携の下、地域住民の環境意識の涵養と、実際的な除去活動、併せてゴミ撲滅などを目指すことが望ましい。

 

B住民交流の場づくり

事業内容

時期

対象

活動報告

三火会

毎月第三火曜日に開催

 

場所:原則的に東上まちづくりフォーラム事務局会議室にて開催、18年度は、志木コミュニティカフェで2回実施。

一般

会員、非会員を問わず誰でもが参加できる会。事務局のスペースで、軽食軽飲をしながら参加者が自己紹介や最近の話題を話し、あとは自由に歓談。東上まちづくりフォーラムの事を理解するための第一窓口の役割も果たす。平成18年度は年間を通じて合計9回開催した。

東上線NPOネットの会合

原則として1ヶ月に1回の割合で会合を開催

一般

1ヶ月に1回の割合での会合開催を原則としてきたが、今年度は19年秋から立ち上がった「ビジネス助っ人隊」の活動と東上線NPOネットの活動が重なりあう場合もあり、東上線NPOネット単独での会合は、5回開催となった。